きんこんの会のお母さんたちとの情報交換会から
きんこんの会のお母さんたちとの情報交換会から 2021/5/27
きんこんの会のお母さんたち数名で、先月から月1回程度、オンラインで情報交換会をしています。
情報交換会では、自粛下での近況はもちろん、指筆談のやり方、指筆談による子供たちの詩や絵などの表現活動を広めるためのアイディア交換などをテーマにお話しています。
今日も、山梨県の浩太朗くんのお母さんの圭子さん、神奈川県の智弘くんのお母さん栄さん、埼玉の百花ちゃんのお母さんの範子さんから、素敵なお話を聞くことが出来たのでシェアしたいと思います。
(圭子さん)
圭子さんは、浩太朗くんの指筆談での言葉を聞くことが出来たのが、5年前。
はじめはお母さん自身も半信半疑だったそうです。また、大きな組織の中で、浩太朗くんに言葉があることをお伝えして理解してもらうことは限界があると思われたそうです。
近くの方たちにコツコツ伝えていくこと、浩太朗くんの言葉を印刷して、まわりの方たちにお伝えしたり、身近な看護師さんなど、ご自分の出来ることを出来る人たちに、知らせていく活動を行われたとのこと。
もちろん、このことを理解するのが難しい方にも会われたこともあったそうですが、あせらず開き直ることも。不安はおいて、自分自身があきらめないこと。
心の中に、「いつかきっと、子供たちの中に、言葉があることが分かってもらえることが当たり前の世の中になる」ことを信じて、気持ちを立て直しながらこれまでやってこられたそうです。
また、浩太朗くんのことを伝えていく活動として、
カレンダーを作って配布、高校の生徒さんによる浩太朗さんの動画作成、山梨県でのアート展など幅広くされています。
このような活動の準備として、指筆談されている様子を動画として撮影、指筆談の言葉をデータ化しておくことにより、他の方に紹介しやすくなるので、是非されておくことが良いとのこと。
・
「続けていくこと」の大切さ
「自分が何をやりたいのか」という気持ちをしっかり持ち続けていくこと。
お母さん自身がリラックスしていないと、力が入らないので、自分自身を元気にする時間を持つことの大事さのお話されていました。
※私は、圭子さんの体験談は、とても参考になり、特に母としての心の持ちようのお話は心に染み入るお話だったので、オンラインでKさんのお話を皆さんに聞いて頂く機会が作れたら良いなあと思いました。
(栄さん)
指筆談の勉強会、NPO法人こつこつに参加されていた先生のお言葉の中で、
「子供たちが、たとえお話が出来なくても、『わかっている』と思って話しかけると、子供たちの反応がちがうんだよ。また、若い人たちの方が、理解してくれる人が多い」ということをシェアしてくれました。
※私は、RAYが8年前に、きんこんの会にさせていただいて、彼の中にこのような豊かな世界があることを知ってから、実は、何でも理解して、心の中にあふれるような言葉があるという見方で息子を見るようになりました。
それから、RAYは私と目を合わせることが増えて、「自分のことを分かってくれている」というような目で私を見てくれることが多くなりました。
子供たちが「わかっている」という思いを支援者やまわりの人たちが持つことがとても大事だというお話を皆さんでシェア出来たことも良かったと思います。
(Tさん)
Tさんも、Mさんのアドバイスから、百花ちゃんの詩を書いたノートを写真に撮り、データ化されているそうです。50冊(1冊100頁)あるそうですが、少しずつデータ化をされています。
指筆談の勉強会のお話のときに、Kさんが気球の会で、指談、筆談で、当事者の子供たちから、特に、筆談(ペンを持って書くこと)の工夫をお話されていました。
子供たちは、力も少ないため、ペンを持って、字を書くことは大変なことであること。このため、障がいのある子供がペンを持つのではなく、通訳の人がペンを持って、通訳の人の腕を子供が動かすようにするのが良い、ということもお話されていました。
百花ちゃんに筆談のことを聞くと、「筆談の練習で、自分の指を持ってもらうよりも、お母さんが指を立てて、百花ちゃんがお母さんの指をペンのように握って書く方が書きやすい」ということをお話してくれました。当事者ならではの貴重なお話でした。
(RAY母)
私の方は、RAYの絵と筆談を一緒にしたミニ画集のフォトブックの販売が、来月6月1-30日の1か月、渋谷天狼院書店であります。20冊だけですが、店頭に並ぶことにより、少しでも筆談のことを知ってもらう機会になれば良いなと思っています。
現在、このミニ画集の出版の可能性を検討しています。
先月の関東地区のきんこんの会で、東田直樹さんの本を出版した会社の方と知り合いになり、原稿をお送りして検討してもらっています。カラー頁も多く、内容的に広い商業出版は難しいかもしれないということは言われていますが、検討してもらえるだけでも嬉しく思っています。
また、柴田先生の7月16日の講演会の準備も少しずつ進めています。すでに参加希望者も増えています。
筆談の理解者が広がっていけばと思います。
きんこんの鐘(RAY 2014)