目が見えなくても絵を鑑賞出来る!?
目が見えなくても絵を鑑賞出来る!?
RAY母は、世田谷美術館の美大に通っています。先日、ちょっと面白いワークショップに参加しました。
テーマは、「美術鑑賞で気づけること」です。持ち物「アイマスク」。一体どんなワークショップだろう?と思っていました。
鑑賞ナビゲーターは、白鳥建二さん。何と全盲の方でした。
白鳥さんは、目が見えなくても美術鑑賞が出来ることをお話してくれました。
白鳥さんが、このようなワークショップをするきっかけ。
全盲の大学生だった白鳥健二さんは、目が見える友人に付き合って、美術館へ行ったところ、目が見える友人と会話しながら美術館を回ることで、自分も美術を楽しめることに気づきました。それから、白鳥さんは、盲目でも美術を楽しむという活動を始め、目の見える人と目の見えない人がグループになって、絵の自由な感想を述べ合いながら楽しむという新しい美術鑑賞をする「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」を始めたとのこと。
私も実際アイマスクをして、グループメンバーから、絵の感想や説明を聞いて絵を鑑賞するという体験をしました。(その逆、アイマスクをしたグループメンバーに説明や感想を伝えることもしました)
2つの気づきがありました。1つは、自分がアイマスクをしているとき。
どんな絵かを頭の中で想像を膨らませていくのがすごく面白かったです。15分説明を聞いてから、実物の絵を見て、想像したものと答え合わせ?をしますが、思い描いていたものとの差を感じたりすることも初めての経験でした。
白鳥さんは、小学生でこのワークショップに体験したお子さんから、目が見えない人は、答え合わせをしないで想像を膨らませられて「お得」だということを言われたそうです。
もう1つは、相手に絵を説明しているとき。絵全体を目の見えない人に説明しようとするので、絵の全体の印象だけでなく、細部までしっかり見て、相手に分かってもらえているかを確認します。相手に分かってもらうように見て説明することで、絵が自分の中にちゃんと入り込んでいきました。
これまで、普段自分一人で絵を鑑賞する場合には、さっと通り過ぎてじっくり見ていなくて、後からどんな絵だったかはっきり覚えてないこともありました。目が見えていることを過信していた自分に気づくきっかけになりました。
今回のワークショップを通して、目が見えなくても、介助者の伝える想いがあれば、自分の中に想像を膨らませて絵を感じることが出来ること。そして、介助さえあれば、目が見えないことも障がいでは無く、一緒に美術を楽しむことが出来ることを知ったのはとても大きな収穫でした!