意思伝達装置Cyin(サイン)のデモ報告

意思伝達装置Cyin(サイン)のデモ報告

今回のブログは、ちょっとカタイです。最初におことわりします。

2019年3月25日、国学院大学人間科学科の柴田保之(やすゆき)先生の研究室で、サイバーダイン社の意思伝達装置Cyin(サイン)のデモが行われました。

意思伝達装置Cyin(サイバーダイン社製)

デモは、代理店のダブル技研の方が装置を持って来て下さって、実際に、意思伝達装置Cyinを腕に装着して意思伝達が出来るかどうかを試します。

Cyinは、ロボットスーツ”HAL”を開発したサイバーダインの山海嘉之先生が、HALの技術を意思伝達装置に応用したもので、昨年12月に販売されたばかりです。

ロボットスーツHALと山海嘉之先生

もう少し詳しく説明すると、Cyinは、人が体を動かそうとした際に、 脳から筋肉へ送られるときに発生する微弱な生体電位信号を検出することにより、本人の意思を他の人に伝え、パソコンなどの電子機器の制御を可能にするものです。

 

http://www.j-d.co.jp/welfare/cyin.html

例えば、コミュニケーションが出来ず、身体も自由に動かせない人が、自分の要求を伝える場合、または、装置の操作をする場合、パソコン等の入力することが可能となります。

今回のデモの実験台になってくれたのは、26歳の中途障がいの青年H君です。

H君は、大学生のときに低酸素症で四肢麻痺と口頭でのコミュニケーションが難しくなったとのこと。口頭でのコミュニケーションは難しいのですが、頭のうなずきやアイコンタクトで意思伝達は出来るので、意思伝達装置Cyinの反応が正しく出ているかどうかを判断することができます。

いよいよ実験開始!

まず、腕に電極を3か所貼り付けます。

(一か所はアースです)

電極からコードで、Cyin に接続します。

まず、「力を入れてみて」とダブル技研の方がH君に指示します。

H君が力を入れると、装置のモニターに意思表示があったという長い緑色の線の表示が出ます。成功です。

意思が表示されたときの緑色の線の大きさを見て、装置の感度を調節して、再度トライです。

今度は、名前を、「あかさたなスキャン」で、教えてもらう実験です。

「あかさたなスキャン」というのは、柴田先生が、「あかさたな…」とゆっくり一文字ずつ声を出して、名前の行になったら、力を入れて答えてもらうという方法です。

例えば、「は」行のところで、意思表示を感じたら、今度は、「は」行で、「はひふへほ」と声を出して該当する字のところで力を入れてもらうようにしました。

この実験も、力の加減が最初は上手くいかないときもありましたが、何回か練習するうちに、上手く読み取れるようになりました!

このように一文字一文字読み取るのはとても時間がかかりますが、この方法で意思の伝達が可能なことが分かりました。

その次は、ベルを鳴らす実験です。

Cyinの外部入力端末を使ってベルを鳴らす機器につなげて、「3回力を入れて」と指示すると、リンリンリンと鳴らすことが出来ました。

実験の終わったあとに、H君に、意思伝達装置Cyinの感想を指筆談で聞くと、

「ケイタイ(をやりたい)」。

「(一人で出来るから)家で練習したい」

「小さな力で操作できる」

とのことでした。

代理店のダブル技研の方によると、この装置の読み取り成功率は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんで、力の入れ方の加減や生体電位の個人差があるということで、1/3の方が読み取れるとのことだったので、今回は初回にして大成功です。

そもそも何故このようなデモを行うことになったかというと、以前のブログ(介助付きコミュニケーション)でも書きましたが、柴田先生の指筆談がなかなか一般的に認知してもらうことが難しいということがありました。

このため、意思伝達装置で意思を伝えてもらったものと、指筆談で伝えられた意思の内容が同じものであることを証明することによって、指筆談での意思伝達による方法が一般的に広まっていくこと。ひいては障がいがありコミュニケーションが難しい人達の意思をより伝達しやすい世の中にすることを目的にしています。

今後、柴田先生の研究によって、さまざまな障がいの方にも実験をされていかれることになるのでしょう。

意思伝達装置とともに、指筆談の普及により、障がいのある人の意思伝達が、ますます広まっていくことを期待しています。そして、障がいのある人が暮らしやすい世の中に近づいていきますように!

H君と柴田保之先生とダブル技研の方

※なお、この意思伝達装置Cyinは、価格が60万円とのことですが、所定の難病に人には自治体の補助金申請対象になるとのことです。

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