「想い」を込めて表現すること
「想い」を込めて表現すること
この3連休、「想い」を込めて表現することについて、つらつら考えています。
(美大で)
今年度、私は社会人の美大に週2日通っています。美大の実技の中には、油彩、彫刻、版画のほか、何と映画の実技もあります。
先日、グループによる映画制作の課題がありました。
私は当日お休みしたキャストの代役として急遽、演技をすることになりました。よく俳優さんが「気持ち」を入れて演技をするという言い方をします。しかし、限られた時間の話合いの中で、登場人物の気持ちを十分つかめず、その役がどのような気持ちでそのセリフを言うのか、自分の中で納得しないまま、演技をすることになってしまいました。このため、気持ちを入れて演技することが出来なかったという後悔だけが残ってしまう残念な結果となってしまいました。
(向井潤吉アトリエ館で)
そして今日。近所にある向井潤吉アトリエ館をRAYと訪れました。
向井潤吉アトリエ館にて
それまで、向井潤吉さんというと日本ののどかな古民家や風景画の作家というイメージでした。見学中、向井潤吉さんは戦時中、戦争従軍画家として現地に行かれたことが分かりました。そして、戦後に、復員兵の絵も描かれています。戦争を経験したからこそ、戦後、時代と共に消えつつ古き日本の田舎の姿を絵の中だけでも残しておきたいという強い信念を持って、全国の山村を巡って絵を描かれたことを知りました。
向井さんが何故その絵を描くのかという「想い」を知って、あらためて絵を見ると全く見方や感じ方が変わってきました。
(柴田先生の研究室で)
8月末に、RAYは柴田先生の研究室で、柴田先生の介助付きコミュニケーション(指筆談)による通訳で、絵についての想いを語ってくれました。(以前、RAYは「犬」や「かえる」の絵に、動物の悲しい気持ちを表現したと語っていました。)
「かえる」RAY作 2014
そして、今回。
「ぼくはこれまで心の中の悲しみを表現してきました。今は、穏やかな気持ちになったので、(絵が)これからどうなっていくのだろうか。… これからは、障がい者の悲しみだけではなく、遠い世界の悲しい出来事について考えていこうと思う。悲しみに対する感性を考えて行こうと思う。…他者の感性を引き受けて表現したい。」
という想いがあることを知りました。
私自身、ようやく「想いを込めて表現すること」の意味を実感することが出来たところです。これからもRAYと共に「表現すること」の学びを深めていきたいです。
つらつらとまとまりのない文になってしまいました。最後まで、お付き合いありがとうございました!